大連の子の青春編

かすみ十三の会・誕生

★「かすみ十三の会」第1回総会 【旧大連霞小第13期生同窓会】
 と  き  昭和29年(1954)1月2日〜3日
 と こ ろ  東京学習研究社会議室(東京都大田区)

参 加 者

総 員

22名
 先  生  渡部先生 飯塚先生 松沼先生 後藤先生 山田先生
 
 13期生  鈴木勇 北畠洋一 熊沢 昭 羽石文明 亀里東祐 荒井三千子 野口智代子  米山邦子 桜本裕子 松井喜久栄 飯田スミ子 新井良子 山田恭子 鈴江彩子

 在校生   渡辺一弘 鈴木てる子 野口登与 (敬称略)
★全編に流れているBGM♪は「大連霞小学校の校歌」です★
大連上葭小学校出身のノーラさんが、MIDI編曲を手がけ、ご厚意により寄贈して頂きました
■プロローグ(序 章)

 ’かすみ十三の会’の皆様、明けましておめでとうございます。

 もういくつ寝るとお正月・・・・と20歳前後にもなった私達が指折り数えて待ちに待った、第一回総会は予定どおり1月2日開催され、1954年に力強い第一歩を踏み出しました。

 さぁー皆さん!!今年からはあなたの胸に希望を抱いて’かすみ十三の会’を育てて行きましょう。♪キンコンカン♪と天高く鳴り渡る鐘の音が聞こえてきました。「誰がために鐘は鳴る」ですって・・・勿論私達にです。

 遠地故出席できずに、恨めしい目で東京の空を眺めた人や、歯を食いしばって我慢された皆さんへ、第一回総会日のお話を少し致しましょう。・・・そこでニヤニヤしている人は・・・あぁ、あなたは出席していましたわね。狂人に間違われぬようにご用心ください

                                                           
■集合場所=東京駅待合室
 
 次々に現れる8年ぶりの顔々々・・・・息をのんで見張る目と目・・・感激にどよめくバスとソプラノ・・・紅潮した若い頬が明るくゆれている・・・新年にマッチしたこの風景この場面は、アカデミー賞を獲得した映画にもない劇的なシーンでした。正午に全員揃って会場へ向かう。

■会場=東京都大田区にある学習研究社の会議室
 
 この会社には渡部先生、飯塚先生、高橋先生方がいらっしゃいます。先生方のお取り計らいで会場として使用させていただくことが出来ました。皆さんもこの先生方のご厚意にに感謝して下さいますようお願いします。

 渡部先生は編集部。皆さん’ししだ くにお’と言うペンネームご存知ありませんか。「あれぇーどこかで見たことあるわ」と言う声が聞こえます。そうです、そうです、そうなんです。その名の人が私達の渡部先生です。驚いたでしょう・・・「そんな名前初めて聞いた」なんて云っている方は小学生雑誌を熟読してください。

 「もう子供じゃないよ、馬鹿にするな」って、そんなにプンプンとご立腹は身体に毒、いつもニコニコ・・・暇があれば読んで是非フアンになってください。(宣伝費は頂いていませんよ) 飯塚先生は印刷部にいらっしゃいます。

■出席者=出席総員 22名(上記のとおり)
 
 以上の美男美女連中は皆大きくなつていました。あの頃の腕白小僧が立派な青年紳士に、泣きベソかいていた女の子は美しい淑女にと、すっかりすっかり変わっていました。竜宮城で頂いた玉手箱の仕業でしょうか・・・・それとも一寸法師の悪戯か、不思議な不思議な出来事でした。

 渡部先生が大きくお肥りになって、横山隆一画伯にそっくり、・・・・アレアレ印象的だつた後藤先生の’ほくろ’が見えなくなっていましたよ。

■総会=開会・議題審議・閉会

昼食をとりながら先生方のお言葉に続いて自己紹介、そして6年2組の安藤先生のお言葉を北畠さんが読み上げて総会の議題へ・・・鈴木議長、北畠副議長、熊沢、米山両記録係りの4人のもとに、会議は和やかに進行し、討論の末、’かすみ十三の会’の会則が出来上がりました。この名を付けるまで夫々大変でした。

 ★決定された会則の主な事項は下記のとおりで、会則第五項目により、昭和29年度上半期分の会費を集めますから、次ののとおり至急ご納入してください。
 @ 金 額  ¥300円(1月〜6月分)
 A 期 日  昭和29年2月15日迄(今回に限り2月15日とする)
 B 方 法  なるべく現金郵送の方法をとってください(規定ではありません)
                C 納入先  別記
鈴木議長&北畠副議長

★会誌に投稿は一名につき一原稿以上、どしどし送ってください。投稿先は会費納入先と同じです。
★会則第四項目委員は選挙の結果、下記の者に決定。
 会 長  鈴木 勇 副会長 北畠洋一・鈴江彩子
 会計係 北畠洋一 鈴木 勇
★会則第八項目総会の件は下記のとおり決定
 昭和30年第二回定例総会開催地は、多数決により東京都と決定す。


■エピローグ(終章)
 
 最後に校歌「たなびく霞おおらかに・・・」と「空は青いぞ・・・」の合唱、場所は違えど心はあの校講へ飛び、グランドピアノを夢見つつ、あの頃の先生と生徒に帰った私達は声を限りに歌いながら、懐かしい、このメロディが胸で堅く固まったのを感じました。歌えなかった人は一人もいませんでした。さすがは、霞校で学んだ人達と感心し心強く思いました。

 ずらりと並んでカメラに納まり、学習研究社に尽きぬ名残を惜しみつつ、渡部先生のご案内で、一行は七色ネオンのギンザへブラブラ・・・・キョロキョロと忙しく見て歩き、東京都における’第1回かすみ十三の会’の総会に閉会の幕がおろされ、楽しかった1月2日は静かに静かに更けて行きました。

 翌1月3日は、米山さん宅にての思い出話大会、昨日帰途についた2〜3人を除いて全員出席・・・円く輪になり飛び出す想い出は宿泊訓練・・・星ケ浦への夜行軍・・手旗信号やトッートッー・・・夏河家子の海に旅順の遠足・・・とうもろこし干し、そして立たされたこと・・・沙河口神社や霞町の家など、どれもこれも幼き日の懐かしい想い出ばかり・・・・

 想い出話は海よりも広く、懐かしさは海より深いものに変わりはございませんでした。(ロミオとジュリエットより引用)・・・寄せ書き、かくし芸、そして、「こちらを向いてそのまま動かずに」ハイ、パチリと名キャメラマン(迷にあらず)の羽石さん・・

 いよいよ今日も暮れかかり、一分千金の時は人の気も知らずに刻々と過ぎ行きお別れです。また会う日まで・・・・来年の総会日の再会を誓い、さょうなら皆様、ごきげんようと、サヨウナラをしたのです。

  ★ 心配した空もからりと晴れて上天気、・・・天然もこの集いに祝福の光をくださいました。本当に本当に楽しい会  でした。引き揚げで今日まで苦難と戦ってきた私達・・・・勝利の日も間近です・・・青い鳥も停まりかけています。逃がさぬようにしっかりと、スクラムを組んで進みましょう・・・清く!正しく!楽しく!・・・・
  
  ★第1回’かすみ十三の会’の総会議事録は以上です。   ’かすみ十三会発行

★以上「かすみ十三の会」総会議事録より転載

写  真  集

★参加した美男美女連中は、みんなみんな大きくなっていました。あの頃の腕白小僧が立派な青年紳士に、泣きベソかいた女の子は、美しい淑女にとすっかりすっかり変わっていました・・・・・(以上かすみ十三の会総会議事録より引用)
最前列左から二番目山田先生・後藤先生・松沼先生を囲んで13期生の皆さん
後藤先生からのメッセージ (同窓会設立準備会に寄せて)

「同窓会設立」何て素晴しいのでしょう。皆様とお別れして六年、一日とて思い出さない日はあ
りませんでした。でもお互いに遠く離れていれば再会も難しく思うように参りません・・・が何時までも出来ない出来ないでは、永久にこのままの姿でしよう。

この度のあなた方熱意、先生も大賛成です。大連時代のお友達に呼びかけ、お互いに親睦を図ることは今の私達にとって、なにものにも代えがたい力強いものになるのではないでしようか。あなた達の尊いご意見ご努力に、私も及ばずながら力にならせて頂きます。

希望をもつて生きることは大切です。もう皆様に会えることばかり考えています。最初は小さなものでも、次々と規模を大きくして行きましょう。連絡等が大変だと思いますので、本州、四国、九州に分けて責任者を決定し、総元締を2〜3人の方が行うというようにしては如何でしょうか。

 各地方の責任者は、年1回責任者が担当する同窓の人々の消息をまとめて総元締へ報告し、その報告を一括整理すると言った具合にして、その係は輪番制しても良いでしょう。


 次に、これ等の運営を円滑にするにはどうしても、準備委員が必要になってきます。お正月に計画されているようですが大変結構。皆様と連絡をとって無理のいかない程度に、出来るだけ都合をつけて出て頂き、良い計画案を立ててください。このことについては、地方の方とよく相談して集まってください。遠路はるばる上京するのですから、東京近辺の方は是非出席して意見を承るように、予め出席、欠席の案内状の作成を忘れずに、少し早めに連絡をすること、その節は私も万障繰り合わせて出席します。

 先ずの仕事は、お友達よりの返事からどのような名案が出るか判りませんが、要するに私共の同窓会を設立し、年一度の再会と会員の消息を知り、連絡を密にしてお互いの親睦を図ることにある訳ですね。皆様からの返事をまとめて、お正月の委員会に発表し計画案を生み出すのです。

 お膳立てをしっかりしない設立は覚束ないものです。お正月の会合を期待しています。希望をもってやりましょうね。再会に必要な費用等貯金も大変結構です。皆に呼びかけて一人でも多くのお友達と会いたいものです。

 手紙が着いても何の返事もない人は、消息不明か又は同窓会設立に協力していただけないと言う結果になりますね。悲しいけど仕方がないでしよう。

 会誌を作り皆に送るには費用が要りますね。これからの費用は一時先生の方で立て替えて、後で希望した人から集金する以外に方法はないでしよう。

 早く皆様とお話がしたいものです。では今日はこれで、又お便りくださいね。お元気で!さようなら。 先生より      
皆 様へ
★以上、かすみ十三の会会誌より転載

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